相続・生前贈与による不動産の名義変更、抵当権抹消、遺言書作成サポート、会社設立
八木司法書士事務所(練馬区)
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相続人となるのは、亡くなった人(被相続人)の配偶者と血族相続人です。
血族相続人には、相続の順位があり(下記参照)、配偶者は常に血族相続人と同順位で相続人となります。
順位 | 血族相続人 | 配偶者 |
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第1順位 | 子 | 常に相続人となる (血族相続人と同順位)
|
第2順位 | 直系尊属 | |
第3順位 | 兄弟姉妹 |
具体的には、下記の1~6により相続人が誰かを判断します。
亡くなった人(被相続人)に子がいる場合は、子が相続人(第1順位)となります。
*子には、胎児・養子・内縁関係によって生まれ、認知された子を含みます。
*被相続人の死亡以前に相続人となるべき子が死亡(被相続人と同時に死亡した場合を含みます)等で相続権を失っているときは、孫が代わりに相続人となります(代襲相続)。
*孫も死亡等で相続権を失っているときは、ひ孫に相続権が移ります(再代襲)。
上記1に該当する人がいない場合は、被相続人の直系尊属(実父母、養父母)が相続人(第2順位)となります。父母が共に亡くなっているときは、祖父母が相続人となります。
上記1、2に該当する人がいない場合は、被相続人の兄弟姉妹が相続人(第3順位)となります。被相続人の死亡以前に相続人となるべき兄弟姉妹が死亡(被相続人と同時に死亡した場合を含みます)等で相続権を失っているときは、甥・姪が代わりに相続人となります(代襲相続)。
被相続人に配偶者がいる場合、配偶者は常に上記1~3の相続人と同順位で相続人となります。
相続人であっても、家庭裁判所で相続放棄の手続きをした人は、はじめから相続人とならなかったものとして扱われます。
被相続人の相続開始後、遺産分割協議を行う前に相続人が死亡した場合、さらに相続が開始(数次相続)し、その相続人の地位を相続人の法定相続人全員が引き継ぎます。
2017年(平成29年)5月29日からスタートした制度で、法務局に「法定相続情報一覧図」の保管等を申し出ることにより、法務局の認証文が付された「法定相続情報一覧図の写し」の交付を受けることができるようになりました。
相続手続を進める際には、法定相続人を証明するため、各種窓口ごとに戸籍謄本一式(被相続人の出生から死亡時までの連続した戸籍謄本及び相続人全員の戸籍謄抄本等)を提出する必要がありますが、「法定相続情報一覧図の写し」は戸籍謄本一式の代わりとして使うことができます。
「法定相続情報一覧図の写し」は相続手続に必要な通数分、無料で交付を受けられます。
いくつもの相続手続があって、同時に手続を進めたい場合等には、法定相続情報証明制度の利用を検討するとよいでしょう。
遺言は、法律で定められた事項について、遺言者の死亡によって一定の効果を発生させることを目的とする、遺言者の最終の意思表示です。亡くなった人(被相続人)の遺言がある場合には、原則として、その遺言の内容にしたがって遺産を分けることになります。
遺言を作成することによって、遺言者は、自分の財産を誰にどれだけ相続させるのか、何を相続させるのか、指定することができます。(但し、遺留分に注意する必要があります。)
遺言の作成方法については民法で定められており、代表的なものに「公正証書遺言」「自筆証書遺言」があります。
公正証書遺言 | 自筆証書遺言 | |
作成方法 | 遺言者本人が遺言の内容を口述し、公証人がそれを筆記して遺言書を作成 *遺言者本人が病気等で公証役場に出向くことができない場合、公証人が出張して作成可能 | 遺言者本人が全文・日付・氏名を自書 して押印することにより作成 *改正法施行日(2019年1月13日)以後は、財産目録についてはパソコンでの作成も可能(但し、財産目録の各頁に署名及び押印が必要) |
証人 | 2人以上の証人の立会いが必要 | 不要 |
費用 | 公証人手数料が必要 | 費用がかからない *法務局における自筆証書遺言書保管制度(2020年7月10日~)を利用する場合は、遺言書の保管申請手数料が必要 |
保管方法 | 原本は公証役場で保管 | 遺言者本人が保管 *法務局における自筆証書遺言書保管制度を利用した場合、原本は法務局で保管 |
リスク | 無効のリスクは小さい | 偽造・変造・隠匿・未発見のリスク、 形式不備等による無効のリスクあり *法務局における自筆証書遺言書保管制度を利用した場合、改ざん・未発見・紛失等の防止可能 |
検認 | 家庭裁判所での検認は不要 | 家庭裁判所での検認が必要 *自筆証書遺言書保管制度を利用して法務局で保管された遺言書は検認不要 |
公正証書遺言は、公証人から必要な助言を受けながら作成することができて、原本は公証役場で保管されるので、方式の不備や遺言書の紛失・偽造のおそれもなく、家庭裁判所での検認も必要ありません。
自筆証書遺言についても、法務局における自筆証書遺言書保管制度を利用した場合は、原本は法務局で保管され、遺言書の紛失・改ざんのおそれもなく、家庭裁判所での検認も不要です。
ただし、自筆証書遺言書保管制度を利用する場合、あらかじめ遺言者本人が遺言書を作成の上、遺言者本人が管轄法務局に出向いて、遺言書の保管申請をする必要があります。
法務局で、遺言書の作成に関する相談や遺言の内容についての相談には、応じてもらうことはできません。
遺言書の作成に関して公証人に相談したい場合や、病気等で自書が困難な場合、遺言者本人が出向くことが困難な場合等は、「公正証書遺言」をおすすめします。
自筆証書遺言は、自分ひとりで作成できて、作成にあまり費用がかからない、というメリットがありますが、遺言書の紛失・改ざん・未発見等のおそれがあります。相続開始後は、家庭裁判所での検認も必要です。
法務局における自筆証書遺言書保管制度(2020年7月10日~)は、自筆証書遺言のリスクを軽減するために創設された制度です。
この制度を利用して、法務局に遺言書を預けることにより、遺言書の紛失・改ざん・未発見のおそれが無くなります。法務局で保管された遺言書については、家庭裁判所での検認も必要ありません。
自筆証書遺言の場合に、必ずこの制度を利用しなくてはならないわけではなく、従来どおり、遺言者本人が作成した遺言書を自分で保管することも可能ですが、自筆証書遺言のリスク軽減のため、この制度を利用することも選択肢の一つとして検討されるとよいでしょう。
自筆証書遺言書保管制度による遺言書保管申請の流れは、下記のとおりです。
① 遺言者本人が自筆証書遺言・遺言書の保管申請書を作成
② 管轄法務局を確認して保管申請の予約をする
③ 遺言者本人が管轄法務局に出向いて保管の申請をする
④ 保管証を受け取る
なお、法務局では、遺言書の作成に関する相談や、遺言の内容についての相談に応じてもらうことはできませんので、ご注意ください。
検認とは、遺言書の形状を確認して、遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。遺言書の有効・無効を判断するものではありません。
下記①②以外の遺言書は、検認手続が必要です。
①公正証書遺言
②自筆証書遺言書保管制度(2020年7月10日~)により法務局で保管された遺言書
遺言書の保管者又は遺言書を発見した相続人が、家庭裁判所に遺言書及び必要書類(戸籍謄本等)を提出して、検認の申立てをします。
申立後は、家庭裁判所から相続人(またはその代理人)に対し、検認手続を行う旨の通知があります。検認期日には、相続人立会いのもと、遺言書の封筒を開封し、検認の手続がなされます。
遺言の執行には、遺言書に「検認済証明書」が必要です。
検認終了後、「検認済証明書」の申請をすることで、検認済証明書が付された遺言書の交付を受けることができます。
遺留分の制度は、一定の相続人のために一定限度の相続財産を確保しておこうとする制度です。
相続が開始すると、相続人はプラスの財産もマイナスの財産も全て承継します。プラスの財産に比べて明らかにマイナスの財産(借金など)が多いとき、相続人にとって相続は大きな負担となります。このようなケースの救済措置が「相続放棄」の制度です。
相続放棄とは、亡くなった人(被相続人)の権利や義務を一切承継しないことです。相続放棄は、①相続人自身が、②相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内に、③家庭裁判所へ相続放棄の申述をすることによって認められます。
相続放棄の申述が認められると、申述した人は、その相続に関しては初めから相続人にならなかったものとして扱われます。
したがって、亡くなった人(被相続人)に子がいた場合に、子(第1順位の相続人)の全員が相続放棄をすると、被相続人の父母(第2順位の相続人)が健在であれば、相続人となります。さらに第2順位の相続人全員が3ヶ月以内(第1順位の相続人全員が相続放棄したことを知ったときから起算)に相続放棄をすると、被相続人の兄弟姉妹(第3順位の相続人)が相続人となります。
先順位の相続人全員が相続放棄をすると、次順位の相続人へ相続権が移りますので、相続放棄をするときは、 次順位の相続人にも事前に知らせておいた方がよいでしょう。